費用・相場

原状回復工事の施工目安単価表【2026年最新版】

2026.05.12  | 更新: 2026.06.02
原状回復工事の施工目安単価表【2026年最新版】

原状回復工事の単価表を施工項目別に公開します。クロス張替・床材・ハウスクリーニング・設備交換まで、実際の施工実績10,000件超のデータをもとにした目安単価を網羅。間取り別の費用目安や借主・貸主の負担区分、管理会社・オーナー向けの見積チェックポイントまで、賃貸管理の現場で役立つ情報を一冊にまとめました。

📋 この記事でわかること

  • 原状回復工事の施工項目別・単位別の目安単価一覧
  • 1K〜3LDKの間取り別・原状回復費用の総額目安
  • 借主(入居者)負担 vs 貸主(オーナー)負担の区分と根拠
  • 単価に影響する4つの要因(築年数・損傷度・地域・資材動向)
  • 管理会社・オーナーが業者の見積もりをチェックする5つのポイント

原状回復工事とは、賃借人の故意・過失・善管注意義務違反によって生じた損耗・毀損を、退去時に復旧する工事のことです。国土交通省ガイドラインに基づき、借主・貸主の費用負担範囲が定められています。

1. 原状回復工事の施工目安単価表【項目別一覧】

以下の単価表は、東京都内を中心とした賃貸住宅(マンション・アパート)の原状回復工事における施工目安単価です。築年数や物件グレード、損傷の程度によって変動しますが、管理会社様や不動産オーナー様が見積書を確認する際の「相場感の基準」としてご活用ください。

💡 工事項目を選んで、原状回復費用の目安を確認できます

単価表だけでは、実際の工事項目や数量を反映した金額までは把握しづらい場合があります。見積もりシミュレーターでは、クロス張替え・ハウスクリーニング・CF張替えなどの工事項目と数量を入力するだけで、税抜・税込の概算金額をその場で確認できます。

管理会社様・不動産オーナー様の相場確認や、社内確認前の概算把握にご活用ください。

① クロス(壁紙)張替え・補修

原状回復工事でもっとも件数が多い施工項目です。クロスの単価は「㎡単価」と「室単位(式)」の2種類が存在します。部分張替えが不自然になる場合は、同一面ごとの張替えが一般的です。詳しくはクロス張替えの相場をご覧ください。

施工項目 単位 目安単価 備考
クロス張替(量産品) 1,000円〜 一般的な賃貸物件で最多使用
クロス張替(1000番台) 1,300円〜 高機能・デザイン系壁紙
クロス張替(1室・式) 15,000〜30,000円〜 洋室1室〜DK・トイレ等
クロス洗浄補修 3,000〜10,000円〜 汚れが軽微な場合の部分補修
クロス洗浄・コーク補修 5,000〜10,000円〜 複数箇所まとめ補修

📌 クロス単価の見方

「㎡単価×施工面積」で算出します。一般的な6畳洋室(壁面積約30〜40㎡)なら量産品で3万〜4万円が目安。見積書の「㎡単価」欄に1,000〜1,300円と記載されているか確認しましょう。

② 床材(CF・フローリング・フロアタイル・畳)

床材は種類によって単価が大きく異なります。クッションフロア(CF)は水回りに多く使用される安価な素材で、フローリングは木質系のためコストが上がります。損傷が限定的な場合はリペア工事で費用を抑えることができます。

施工項目 単位 目安単価 備考
クッションフロア(CF)貼替 15,000円〜 トイレ・脱衣所・キッチン等
フローリング剥離洗浄 700円〜 ワックス剥離・再塗布
フローリング剥離洗浄(式) 12,000円〜 洋室+廊下など複数室まとめ
フロアタイル貼替 4,800円〜 水回り・玄関など
CFシート張替(洋室等広範囲) 3,500円〜 洋室全体への施工
畳表替え 5,000円〜 和室1間単位
リペア補修(人工) 人工 32,000円〜 フローリング等の部分補修・1日作業
リペア補修(半人工) 半人工 19,800円〜 小範囲の部分補修・半日作業

💡 リペア補修でコスト削減

フローリングの傷や凹みが局所的な場合、全面張替えではなくリペア補修(部分補修)が選択できます。張替えコストの1/3〜1/5程度に抑えられるケースも多く、管理会社様・オーナー様のコスト圧縮に直結します。

③ ハウスクリーニング

ハウスクリーニングは、通常の清掃を超えた専門業者による室内清掃です。国土交通省ガイドラインでは「借主の特別な汚損がない場合は貸主負担」とされていますが、特約契約がある場合は借主負担となります。

施工項目 単位 目安単価 備考
ハウスクリーニング(〜25㎡・1K) 21,000〜24,000円〜 1K・ワンルーム目安
ハウスクリーニング(25㎡〜) 950円〜 1K〜1DK・㎡単価制
ハウスクリーニング(1LDK) 30,000円〜 1LDK目安
エアコン内部洗浄(標準機) 6,000〜10,000円〜 一般壁掛けエアコン1台
エアコン内部洗浄(お掃除機能付) 18,000〜21,000円〜 分解洗浄が必要なタイプ
特別洗浄(浴室) 15,000円〜 カビ・水垢の激しい浴室向け
特別洗浄(トイレ) 5,000円〜 尿石・黒ずみの激しい場合

④ 設備・器具交換

設備交換は単価が高く、見積書全体の金額を左右します。耐用年数を超えた設備は借主負担が減額されるため、築年数と入居年数をもとに按分計算が必要です。

施工項目 単位 目安単価 備考
エアコン交換 85,000〜145,000円〜 6畳用2.2kW標準機
ウォシュレット(温水洗浄便座)交換 35,000〜56,000円〜 標準グレード・材工込み
IH(クッキングヒーター)交換 30,000〜60,000円〜 グレードにより差あり
水栓交換(キッチン・DK) 35,000円〜 シングルレバー混合水栓
水栓交換(浴室) 38,000〜75,000円〜 デッキ型シャワー水栓含む
換気扇交換(トイレ) 35,000円〜 プロペラ型・材工込み
鏡交換(浴室) 25,000円〜 洗面・浴室鏡
浴室鏡研磨 5,000円〜 水垢・曇りの軽微な場合

⑤ その他工事・附帯費用

施工項目 単位 目安単価 備考
コーキング打ち替え(浴室等) 2,000円〜 浴槽廻り・洗面台廻り
網戸張替え 16,500円〜 洋室1か所・材工込み
塗装工事 30,000〜75,000円〜 腐食・傷みの激しい箇所
建て付け調整 2,000〜3,000円〜 扉・クローゼット等のガタ調整
管球・電池交換 1,000〜6,000円〜 切れた電球・リモコン電池等
残置物処理 5,000〜13,000円〜 バルコニー置き去り品等
諸経費 3,500〜10,000円〜 交通費・養生費・廃材処分費

⚠️ 2026年7月:資材・人件費の値上げに注意

建築資材・廃材処分費・職人人件費の上昇が続いており、2026年7月以降はクロスや床材を中心に約10〜30%の値上がりが見込まれています。現在の単価表は2026年5月時点の目安であり、実際の見積もりは最新の資材相場を反映させてご確認ください。

2. 【間取り別】原状回復工事費の目安(1K〜3LDK)

間取りごとの原状回復費用目安をまとめました。クロス張替+床清掃+ハウスクリーニングの3点セットが基本パターンで、設備の損傷度・入居年数によって追加工事が発生します。以下は標準的な損耗(タバコなし・設備損傷なし)を前提とした目安です。総額の相場観については原状回復費用の相場もあわせてご確認ください。

間取り 専有面積目安 クロス張替 床清掃・補修 ハウスクリーニング 諸経費 合計目安
1K・1R 20〜30㎡ 3〜5万円 1〜2万円 2〜3万円 0.5万円 7〜10万円〜
1DK・1LDK 30〜50㎡ 5〜8万円 1.5〜3万円 3〜4万円 0.5万円 10〜15万円〜
2LDK 50〜70㎡ 8〜12万円 2〜4万円 5〜6万円 0.5〜1万円 15〜23万円〜
3LDK 70〜90㎡ 12〜18万円 3〜6万円 7〜9万円 0.5〜1万円 22〜34万円〜
タバコ・ペット・設備損傷がある場合は上記に追加費用が発生 +5〜30万円

弊社が手がけた10,000件超の施工実績では、1K物件の平均的な原状回復費用は8〜12万円に収まるケースが多く見られます。ただし、タバコの黄ばみや過失による穴・傷が複数ある場合は、クロスの全面張替えが必要になり費用が跳ね上がるため、退去立会時の状態確認が重要です。

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3. 単価に影響する4つの要因

同じ「クロス張替」でも、物件によって費用が大きく変わります。管理会社の担当者が入居者に費用の根拠を説明するためにも、単価を左右する4つの要因を押さえておくことが重要です。

  1. 1 損傷の程度と範囲 汚れや傷が軽微なら補修・洗浄で済みますが、全面張替えが必要な損傷(タバコのヤニ・大きな穴・ペットの引っ掻き傷等)は費用が数倍になります。退去立会時の写真記録が見積根拠として不可欠です。
  2. 2 物件の築年数・グレード 高グレードの物件(1000番台クロス・無垢フローリング等)は材料費が高く、単価が上がります。また、耐用年数(クロス6年・設備15年等)を超えた素材は借主負担が按分計算で減額されます。
  3. 3 東京都内の相場と地域差 東京都内は職人人件費・交通費が高いため、地方と比べて1〜2割程度割高になる傾向があります。一方で、都内を専門とする業者は施工スピードが速く、空室期間の短縮につながります。
  4. 4 2026年の資材・人件費動向 建築資材の国際価格上昇と職人不足が続いており、2026年以降はクロス・床材を中心に値上がりが継続する見通しです。複数案件をまとめて発注することで、業者との交渉余地が生まれます。

4. 借主・貸主の費用負担区分と単価の関係

国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」では、借主(入居者)と貸主(オーナー)の負担範囲が明確に定められています。単価表を使う際は、施工項目ごとに「誰が費用を負担するか」を正確に整理する必要があります。

「賃借人の故意・過失、善管注意義務違反、通常の使用を超えるような使用による損耗・毀損を復旧すること」

出典:国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版)」
借主(入居者)が負担する主な項目
  • タバコのヤニ・臭いによるクロス全面張替
  • 故意・過失による壁・床の傷・穴
  • ペットによる引っ掻き・臭い・汚損
  • 結露放置によるカビ・シミ
  • 鍵の紛失・シリンダー交換
  • 無断の釘・ビス穴(通常使用を超える場合)
貸主(オーナー)が負担する主な項目
  • 日照・経年による壁紙の変色・劣化
  • 通常使用による床の軽微なすり傷
  • 耐用年数を超えた設備の交換費用
  • ハウスクリーニング(特約なしの場合)
  • 家具設置による床のへこみ(通常使用)
  • テレビ・冷蔵庫等の後ろの黒ずみ

耐用年数による按分計算(年数考慮項目)

借主負担であっても、耐用年数を過ぎた素材・設備は残存価値が低くなるため、借主が全額負担するのではなく「残存価値相当分のみ」の負担となります。管理会社が見積書を入居者に提示する際、この按分計算の根拠説明が欠けているとクレームに発展しやすい点に注意が必要です。

素材・設備 耐用年数目安 按分の考え方
クロス(壁紙) 6年 入居6年超で残存価値は1円(借主は施工費負担のみ)
クッションフロア(CF) 6年 6年超で残存価値ゼロ相当
フローリング(建物と同等) 建物耐用年数 補修は借主負担、全面張替は貸主負担が原則
設備(エアコン・給湯器等) 6〜15年 耐用年数超えは借主負担ゼロが原則
6年 消耗品扱い。著しい汚損は借主負担

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5. 【管理会社・オーナー向け】見積書チェックポイント5選

原状回復工事の見積書は、記載の粒度や根拠によって品質が大きく異なります。適正な単価かどうかを見極める5つのチェックポイントを押さえることで、過大請求や後からの追加費用を防ぐことができます。

1

施工項目・単位・数量・単価が明示されているか

「原状回復工事一式 ○○万円」のような一括表示は要注意。施工箇所・単位(㎡・台・式)・数量・単価が行ごとに記載されているか確認します。内訳が不透明な見積書は根拠説明ができず、入居者とのトラブルに発展するリスクがあります。

2

借主負担・貸主負担の区分が明確か

見積書に「借主負担分」「貸主負担分」が分けて記載されているか確認します。区分が明確でないと、全額を入居者に請求する誤った判断につながり、敷金精算トラブルの原因となります。ガイドラインに沿った負担区分が明示されているかどうかが業者の知識水準を示します。

3

退去立会の記録(写真・チェックシート)との整合性

見積書の施工項目が、立会時に記録した損傷箇所と一致しているか確認します。立会記録のない項目が見積書に追加されている場合は根拠の説明を求めます。立会と施工が同一業者の場合、この確認が甘くなるリスクがある点に注意が必要です。

4

耐用年数・按分計算が適用されているか

入居年数が長い物件では、クロスや設備の耐用年数を考慮した按分計算が必要です。耐用年数超えの素材を借主に全額請求するのはガイドライン違反となる可能性があります。計算式が見積書または別紙に記載されているか確認しましょう。

5

諸経費・交通費・廃材処分費の内容が明記されているか

「諸経費」という曖昧な項目で高額な費用が計上されていないか確認します。目安は3,500〜10,000円程度。それを超える場合は何の費用かを確認し、実態のない費用の混入を防ぎます。

6. 【管理会社向け】原状回復工事の業者選びで失敗しないための3つの視点

原状回復工事の協力業者選びは、品質・スピード・コストの三角形のバランスが重要です。価格だけで選ぶと品質にばらつきが生じ、クレーム対応や手直しの手間が発生します。詳しくは業者の選び方をご参照ください。

退去立会との連携

立会時の損傷記録をそのまま施工に引き継げるワンストップ業者を選ぶと、情報の引き継ぎロスがなくなり、追加費用・認識齟齬のリスクが下がります。立会担当と施工担当が異なる2担当制は、相互チェックとして機能し品質が安定します。

対応スピードと手直し保証

退去から次入居までの空室期間が長いほど収益損失が拡大します。最短即日対応・工事後3日以内の手直し保証など、スピードと品質保証の両面で対応力を確認しましょう。

見積根拠の透明性

ガイドラインに沿った負担区分・耐用年数按分・施工項目の明細が揃った見積書を発行できる業者は、入居者とのトラブル予防に強みがあります。「相場よりなんとなく安い業者」より、根拠説明力のある業者の方が長期的なコストが下がります。

7. よくある質問(FAQ)

Q 原状回復工事の施工目安単価はいくらですか?
A

主要な施工項目の目安単価は以下の通りです。クロス張替(量産)1,000円〜/㎡、ハウスクリーニング(1K)21,000〜24,000円〜、エアコン内部洗浄6,000〜10,000円〜/台、CF貼替15,000円〜/式。物件の状態・築年数・損傷の程度によって変動します。

Q 原状回復工事の費用はいくらくらいが目安ですか?
A

標準的な損耗(タバコなし・設備損傷なし)の場合、1K物件で7〜10万円程度、1LDKで10〜15万円程度、2LDKで15〜23万円程度が目安です。タバコのヤニや過失による損傷がある場合は追加費用が発生します。

Q 1Kマンションの原状回復の相場はいくらですか?
A

東京都内の1K(20〜30㎡)の場合、7〜12万円が一般的な相場です。クロス張替・フローリング清掃・ハウスクリーニングの3点が基本項目となります。タバコや過失損傷がある場合は15〜20万円を超えるケースもあります。

Q 管理会社が退去立会を外注するメリットは何ですか?
A

主なメリットは3点です。①業務時間の削減(立会・記録・業者手配を一括委託)、②品質の安定(専門業者による客観的な損傷記録でクレーム減少)、③空室期間の短縮(立会から工事まで一元管理でスピードアップ)。特に複数物件を管理する場合に、退去業務の標準化・効率化が図れます。

Q オフィスの原状回復費の坪単価はいくらですか?
A

オフィスの原状回復費用は業種・内装の状態によって大きく異なりますが、一般的な目安は1坪あたり30,000〜100,000円程度です。本記事は賃貸住宅(居住用)の原状回復を対象としており、オフィス・店舗の原状回復は別途専門業者への相談をお勧めします。

8. まとめ

原状回復工事の単価表は、管理会社や不動産オーナーが入居者との費用精算を円滑に進めるための重要な根拠資料です。本記事のポイントをまとめます。

  • クロス張替は1,000円〜/㎡が標準。1000番台は1,300円〜/㎡
  • ハウスクリーニングは1K(〜25㎡)で21,000〜24,000円〜が目安
  • 間取り別の総額目安:1K→7〜10万円、1LDK→10〜15万円、2LDK→15〜23万円
  • 借主/貸主の負担区分は国交省ガイドラインに基づいて判断する
  • クロスの耐用年数は6年。超過後は借主負担を按分計算で減額
  • 見積書チェックは「明細の透明性・負担区分・耐用年数按分」の3点が最重要
  • 2026年7月以降の資材値上がりを見越した発注タイミングの検討も重要

退去立会から工事・ハウスクリーニングまでをワンストップで対応できる業者への一元化は、管理会社の業務効率化と品質安定の両方に貢献します。立会記録の引き継ぎロスがなくなり、見積根拠の一貫性が保たれるため、入居者からのクレームリスクも低減します。

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参考文献・出典

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