業者選び

東京の原状回復工事業者の選び方と相場【賃貸管理会社向け】

2026.05.01  | 更新: 2026.05.11
東京の原状回復工事業者の選び方と相場【賃貸管理会社向け】

退去のたびに「どの業者に頼むか」で悩んでいませんか。東京都内には原状回復工事を手がける業者が数多く存在しますが、品質・スピード・価格のバランスが取れた業者を選ぶのは簡単ではありません。「安いと思って頼んだら是正だらけだった」「立会と施工を別業者にしたら引き継ぎロスで空室期間が延びた」——管理会社や不動産オーナーからこうした声をよく聞きます。

この記事では、東京で賃貸物件の退去案件を多数手がける施工専門業者の立場から、業者選びの7つの基準・間取り別の費用相場・ワンストップ外注のメリットを現場目線で解説します。管理会社の担当者・管理職、個人・法人オーナーの方にそのまま使えるチェックリストとして活用してください。

📋 この記事でわかること

  • 東京の原状回復工事業者の種類と選ぶべきタイプ
  • 管理会社・オーナーが業者選びで失敗する3つのパターン
  • 業者選定で押さえるべき7つの基準(ヒアリングチェックリスト付)
  • 間取り別・施工項目別の費用相場早見表
  • 退去立会×原状回復ワンストップ外注が業務を変える理由と比較表

1. 原状回復工事とは?東京で業者選びが難しい理由

原状回復工事とは、賃貸物件の退去後に借主の故意・過失または通常の使用を超える損耗を修復し、入居前の状態に戻す工事のことです。

国土交通省が定めるガイドラインでは、原状回復の範囲を次のように定義しています。

「賃借人の故意・過失、善管注意義務違反、通常の使用を超えるような使用による損耗・毀損を復旧すること」

出典:国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版)」

つまり「借主が普通に使っていたことによる経年劣化(通常損耗)」はオーナー負担、「タバコのヤニ汚れ・ペットによる傷・壁の穴」など借主の過失による損耗は借主負担が原則です。この判断を退去立会の現場で正確に行い、ガイドラインに基づいた適正な見積もりを提示できる業者かどうかが、管理会社にとって最初の選別ポイントになります。

東京都内の原状回復業者の実態と3つのタイプ

東京都内で「原状回復工事」を手がける業者は大きく3つのタイプに分かれます。管理会社として発注先を選ぶ際には、このタイプの違いを最初に把握することが重要です。

業者タイプ 特徴 管理会社から見たリスク
施工専業会社(職人直営型) 自社職人が施工。中間マージンなし。品質管理が一元化されている 低い。品質・価格が安定しやすく継続委託に向く
リフォーム仲介業者(下請け外注型) 受注後に協力会社へ外注。中間マージンが上乗せされる 高い。品質ばらつき・割高・是正時の責任所在が不明確になりやすい
マッチングサービス(ポータル型) 複数業者を比較できる。案件ごとに業者が変わる 中程度。都度選定コストがかかり品質の一貫性が担保しにくい

管理会社として月間の退去案件を安定的にさばくには、毎回の入札・選定コストを省き、品質が安定している施工専業(職人直営型)との継続契約が合理的です。ただし「直営」を謳いながら実態は外注という業者も存在するため、後述の選定基準で見極めることが重要です。東京都内では現在も、オーガニック検索でヒットする多くの業者が仲介型・LP型であり、実態のある施工専業会社の数は限られています。

2. 管理会社・オーナーが業者選びで失敗する3つのパターン

現場でよく耳にする失敗には共通したパターンがあります。どれも「発注前の確認不足」に起因しており、選定基準を持つだけで防げるケースがほとんどです。

パターン① 価格だけで決めて是正が多発

「他社より単価が安いから」と施工業者を選んだところ、クロスの張り方が粗く入居後すぐにはがれが発生。再施工の手配・入居者対応・クレーム処理で担当者が数日間拘束された。結果として、是正コスト・工数・信頼損失を合計すると「安い業者」の選択が最も高くついた。

→ 単価だけでなく、是正・手直し保証の有無と範囲を事前に書面で確認することが必須です。

パターン② 立会と施工を別業者に頼んで引き継ぎロスが発生

退去立会は立会代行業者A、工事は施工業者Bへ別発注。立会時の指摘箇所が施工業者に正確に引き継がれず、見積もり漏れと追加費用が発生。オーナーへの説明に追われるだけでなく、着工が1週間遅れて空室損失が拡大した。

立会から工事まで一気通貫で対応できる業者を選ぶことで、引き継ぎロスが構造的になくなります。

パターン③ 対応が遅くて空室期間が延びた

退去後の見積もり提出に1週間、着工まで10日以上かかった。その間の空室損失が数万円〜十数万円に上り、より早く動ける業者に切り替えた。工期のコミットを事前に確認していなかったことが原因だった。

→ 問い合わせ時に「最短着工日」と「見積提出の標準リードタイム」を必ず数字で確認しましょう。

3. 管理会社が押さえるべき原状回復工事業者の選定7基準

業者を選ぶ際、管理会社の実務担当者が問い合わせ時にヒアリングすべき7つの基準を解説します。すべてYESと答えられる業者が、管理会社にとって安心して任せられるパートナーの条件です。

  1. 1 自社施工体制(職人直営)であるか 受注後に下請け・孫請けへ外注する業者は、中間マージンによるコスト増と品質ばらつきのリスクを抱えています。「現場に入る職人は自社雇用か、協力会社か」を明確に確認してください。自社職人の比率が高い業者ほど施工品質を直接コントロールでき、管理会社への報告責任も明確です。実際の施工写真や職人紹介ページを持つ業者は透明性が高い傾向があります。
  2. 2 退去立会から施工まで一貫対応できるか 立会・見積・工事・ハウスクリーニングを一社でまとめられるかどうかは、管理会社の業務効率に直結します。分散発注では業者間の連絡調整だけで担当者の工数が増加します。ワンストップ対応業者なら、立会時の指摘内容がそのまま見積・施工に反映されるため、「言った・言わない」のトラブルが起きにくい体制を取れます。
  3. 3 工期と着工スピードにコミットしているか 「最短何日で着工できるか」「見積提出は何営業日以内か」を数字でコミットしてくれるかを確認します。1日の空室は家賃月10万円の物件で約3,300円の逸失収入です。1週間の遅れで約23,000円。工期コミットは管理会社の収支に直接影響する数字です。「できるだけ早く」という曖昧な返答しか得られない業者は要注意です。
  4. 4 担当者が立会×施工で分業されているか 立会担当と施工担当が同一人物の場合、立会時の確認漏れがそのまま施工漏れになりやすいです。立会専門の担当者と施工専門の担当者を分けることで、互いのチェック機能が働き、是正発生率が下がります。この二人体制は管理会社にとってのクレーム削減と品質安定に直結します。担当体制が分業されているかを面談時に確認しましょう。
  5. 5 是正・手直し保証が明文化されているか 施工後に不具合が発生した場合、追加費用なしで手直しをしてもらえるか、その対応期間が明示されているかを確認してください。「施工後○日以内は無償対応」という書面での保証がある業者は施工品質への自信の裏返しです。口頭の約束だけでは後々のトラブルになりかねないため、契約前に保証内容の明文化を求めてください。
  6. 6 見積書が施工項目ごとに明細化されているか 「一式○○円」という見積書では、何の費用がどれだけかかっているかを管理会社として確認できず、オーナーへの説明責任も果たせません。クロス・床・ハウスクリーニング・設備修理それぞれの単価と数量が明記された見積書を出せる業者を選んでください。項目別明細があれば、入居者から費用について問い合わせがあった際も根拠を持って対応できます。
  7. 7 東京都内全域・緊急対応への対応力があるか 管理物件が都内各所に分散している管理会社にとって、「渋谷区も足立区も同じ品質で対応できるか」は重要な選定軸です。エリアによって協力会社が変わる業者では品質が安定しません。また、急な退去や年度末の繁忙期における即日・緊急対応に応えられるかも確認しておきましょう。対応エリアと担当可能件数の上限を確認することをお勧めします。

💡 初回ヒアリングのチェックリストとして活用してください

上記7基準は、業者との初回面談・電話ヒアリング時にそのまま質問リストとして使えます。7項目すべてに「YES」と明確に答えられる業者が、管理会社にとって安心して任せられるパートナーの条件です。1〜2項目でも「曖昧な回答」「書面での確認を渋る」場合は発注を再検討してください。

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4. 東京の原状回復工事の費用相場【間取り別・施工項目別早見表】

東京都内の原状回復工事費用は、物件の広さ・築年数・損耗状態によって大きく変わります。以下は一般的な賃貸マンション・アパートを対象とした費用目安です。管理会社として入居者への説明素材としても活用いただけます。

間取り別の費用目安(東京都内・標準的な損耗の場合)

間取り 専有面積目安 原状回復工事費用の目安 主な工事内容
ワンルーム・1K 18〜30㎡ 50,000〜150,000円〜 クロス張替え・CF張替え・ハウスクリーニング
1DK・1LDK 30〜50㎡ 100,000〜250,000円〜 上記+設備補修・エアコン内部洗浄
2DK・2LDK 50〜70㎡ 150,000〜350,000円〜 上記+フローリング補修・建具修理
3LDK以上 70㎡超 250,000〜600,000円〜 上記+大規模クロス全面張替え・水回りリフォーム等

※ 上記はあくまで目安です。喫煙・ペット飼育・長期入居(10年超)・大型損傷がある場合は別途費用が発生します。タバコのヤニ汚れによるクロス全面張替えや、フローリングの広範囲補修が必要な場合は費用が大きく増加します。

主要施工項目の単価目安(東京都内相場)

施工項目 単価目安 備考
クロス(壁紙)張替え 1,000〜1,500円/㎡〜 素材・グレードにより変動
クッションフロア(CF)張替え 2,000〜3,500円/㎡〜 柄・厚みにより変動
フローリング補修(リペア) 5,000〜35,000円/箇所〜 傷・凹みの大きさによる
ハウスクリーニング 850〜1,200円/㎡〜 1Kの場合 24,000円〜が目安
エアコン内部洗浄 8,000〜15,000円/台〜 フィルター清掃含む
建具(ドア・引き戸)補修 10,000〜50,000円/枚〜 補修か全交換かで大幅に変動

管理会社として「適正価格か」を見極める3つのポイント

受け取った見積書が適正かどうかを管理会社として判断するための実務的な視点を紹介します。

⚠️ 「一式表記」の多い見積書は要注意

施工項目の大半が「一式」で括られた見積書は、オーナーへの説明が困難になるだけでなく、入居者から費用の正当性について問い合わせがあった際にも根拠を示せません。明細化された見積書を当然のように提示できる業者を選ぶことが、管理会社のリスク管理に直結します。

5. 退去立会×原状回復工事のワンストップ外注が管理業務を変える理由

近年、退去立会と原状回復工事を一社に一括委託する管理会社が増えています。その背景には、担当者の業務負荷の増大と、入居者クレーム対応コストの上昇があります。ワンストップ外注が管理業務にもたらす3つの変化を整理します。

⏱ 業務時間の大幅削減

立会・見積・発注・施工手配・手直し対応を複数業者に分散すると、担当者の連絡調整だけで1件あたり数時間かかります。ワンストップ外注では窓口が一本化されるため、担当者の工数が大幅に削減されます。月10件以上の退去案件を抱える管理会社では、年間工数削減効果が特に大きくなります。

🏠 空室期間の最短化

立会翌日に見積書が届き、承認後即着工——このスピードは一貫対応業者ならではです。立会業者から施工業者への引き継ぎ待ち時間がゼロになり、退去から次入居募集開始までのリードタイムが最短になります。1日でも早く募集を開始できることは、オーナーの空室損失を直接削減します。

📋 クレームリスクの低減

立会時の現状記録(写真・動画)がそのまま施工・見積に反映されるため、「指摘したのに直っていない」「見積に含まれていなかった追加費用」などのトラブルが構造的に起きにくくなります。記録の一元管理は、入居者とのトラブル時の証拠書類としても機能します。

10,000件超

施工実績(創業3年)

即日対応

最短着工スピード

3日以内

手直し保証期間

2担当制

立会担当×施工担当

退去立会から原状回復工事・ハウスクリーニングまでのワンストップ対応と2担当制(立会担当×施工担当の分業)を組み合わせることで、単なるコスト削減にとどまらない「業務品質の底上げ」が実現します。立会担当者と施工担当者が異なることで互いのチェック機能が働き、是正率の低下につながります。東京都内でこうした体制を持つ業者はまだ少なく、管理会社・オーナーにとって選択肢が限られているのが実情です。

🏠 退去立会を外注したいオーナー様へ

立会・見積・工事・ハウスクリーニングを別業者に分散発注すると、引き継ぎロスや追加費用が発生しがち。ワンストップ対応で空室期間を短縮し、次入居までをスムーズに。
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6. ワンストップ対応 vs 分業発注:管理会社の実務コスト比較

「ワンストップ対応の業者は費用が高いのでは?」という疑問をよく耳にします。施工単価だけを比較するとそう見えることもありますが、業務全体のコストで比較すると結論が変わるケースが多くあります。

比較軸 ワンストップ対応 分業発注(複数業者体制)
管理会社の連絡調整工数 窓口1社・最小限 立会・工事・クリーニングで複数社分の調整が必要
引き継ぎミスのリスク ほぼなし(一貫管理) 業者間の情報齟齬が発生しやすく追加費用の原因になる
着工スピード 立会翌日〜即日着工可能 業者選定・発注・調整で数日〜1週間のロスが生じやすい
是正発生時の責任所在 明確(一社が全責任を持つ) 業者間でたらい回しになるケースがある
見積の透明性 一括明細で全体を把握しやすい 各社バラバラで総コストの把握が困難
空室損失リスク 最小化(着工が早い) 調整遅れによる空室長期化リスクがある
継続委託による品質安定 担当者が固定され品質が向上する 案件ごとに業者が変わり品質が安定しにくい

分業発注の場合、施工単価だけを見れば安く見えても、担当者の調整工数・是正対応のロス・空室損失を合算すると「総コスト」はワンストップ対応を上回るケースが少なくありません。月間10件以上の退去案件を抱える管理会社では、この差が年間の業務効率と収支に大きく影響します。業者選びは「単価比較」から「総コスト比較」へ視点を切り替えることが重要です。

よくある質問

Q 東京の原状回復工事の工期はどのくらいですか?
A

ワンルーム・1Kの場合、クロス張替えとハウスクリーニングを含めて2〜3日程度が目安です。1LDK〜2LDKは3〜5日、3LDK以上やフローリング全面張替えを含む場合は5〜10日かかることがあります。自社職人を多く抱える施工専業会社であれば最短即日着工も可能で、退去から1週間以内に次入居募集を開始できるケースもあります。

Q 管理会社として複数物件の原状回復を一括業務委託できますか?
A

可能です。月間の退去件数が一定数ある管理会社には、個別依頼ではなく継続業務委託契約を提供している施工専業会社が増えています。まとめ発注によるコスト削減・担当者固定化による品質安定・優先スケジュール確保などのメリットがあります。まずは月間の件数規模と主な対応エリアをお伝えのうえ、業務委託の条件についてご相談ください。

Q 退去立会と原状回復工事を別業者に頼むデメリットは何ですか?
A

主なデメリットは3つです。①立会時の指摘内容が施工業者に正確に伝わらない「引き継ぎロス」が発生する、②業者間の調整に管理会社側の工数がかかる、③是正・クレーム発生時の責任の所在が曖昧になりやすい。これらを避けるために、立会から施工まで一気通貫で対応できる業者へのワンストップ委託が有効です。

Q 原状回復費用が高すぎると感じた場合、どう確認すればいいですか?
A

まず見積書の内訳を確認し、施工項目・単価・数量が明細化されているかをチェックしてください。次に、国土交通省のガイドラインに基づく「借主負担の範囲」と「経過年数による負担割合」が正しく適用されているかを確認します。不明点があれば業者に根拠の説明を求め、納得できない場合は相見積もりをとることをお勧めします。

Q 急な退去や即日・緊急対応は可能ですか?
A

業者によります。自社職人を多数抱える施工専業会社であれば、東京都内では最短即日着工に対応できるケースがあります。緊急対応が必要な場合は、問い合わせ時に必ず「最短対応可能日」を確認してください。継続業務委託を結んでいる管理会社は優先スケジュール確保がしやすく、繁忙期(3〜4月)でも安定した対応を受けやすくなります。

まとめ

東京で原状回復工事業者を選ぶ際の重要ポイントを整理します。

原状回復工事は退去から次入居までの橋渡しを担う重要な業務です。東京都内では業者の品質・スピード・価格にばらつきが大きいからこそ、選定基準を持ち、信頼できる協力会社と継続的なパートナーシップを構築することが、管理会社・オーナーの長期的な利益につながります。

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参考文献・出典

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